宍道湖北東の湖岸の白い崖

松江市街に近い宍道湖の北岸には白い崖が連なっている。白い崖は16ヶ所あり、古くより十六禿(じゅうろくはげ)とよばれ松江市民に親しまれた景観である。この十六禿は、 1100万年前の松江層の細粒の石英質砂岩でできている。島根半島が深い海から浅い海へと隆起した時期に堆積したもので、当時の松江市街一帯は、島が点在する海岸地形が広がっていた。このような浅い海に堆積した地層は黒い色になるが、長い時間をかけて隆起した垂直な砂の崖では水の吸収と乾燥がバランスよく進み、有色成分が溶け出してしまったために石英や長石類だけが残る白っぽい崖になった。十六禿の白い崖は、長い時間をかけた風化作用を受けたものである。

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〇島根半島エリア(ジオヘリテイジ)

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未来の子供たちが現在の私たちと同じように、今の美しい自然環境を利用できるようにするためにも、著しい環境の改変につながるような動植物や岩石等の採取等の自然環境の破壊は厳に慎んでください