B地点 牛切層の緑色凝灰岩(グリーンタフ)と礫岩の層

猪目洞窟

縄文時代の土器、弥生時代の人骨が見つかった猪目洞窟。緑色の凝灰岩の層が海に向かって傾いているのがわかります。

猪目洞窟(ほぼ全景)

猪目洞窟の上の壁にはグリーンタフのあざやかな緑が見られます。
洞窟の傾きと同じように緑の層も傾いているのがわかります。

グリーンタフとは、緑色の凝灰岩のことです。これは、海底火山の噴火による火山灰が、火山活動による熱水で変質を受たものです。
熱水変質作用によりの有色鉱物(おもに黒雲母カクセン石輝石など)が、緑泥石という緑色の鉱物に変わってしまいます。

熱水:地殻内にある高温水溶液のことです。熱水のもとは天水(あまみず)、海水、マグマ水(マグマに含まれている水)などがあります。

洞窟の天井付近にある礫岩の層

濃い緑色の層を境としてかなり大きめの礫が層をつくっています。角礫は、岩石が水の作用をあまり受けずに海底に堆積したことを表しています。

流紋岩の火山角礫岩(水の影響を受けていない礫岩)が見られます。緑色の濃い部分は緑泥石が集まったものでしょう。 グリーンタフは緑色のきれいな岩石です。庭石として使われることも多くあります。
洞窟から海へ出る側の崖:洞窟に見られるのと同じ礫岩の層がわかります。 安山岩のようにも見えますが、流紋岩の火山角礫岩です。熱水による変成をあまり受けていない火山礫の層です。

角礫がぬけてしまった跡に、丸い穴がいっぱい空いていました。
猪目のグリーンタフは牛切層の流紋岩熱水で変質して緑泥石化したものです。
当時このあたりは海の中であり、そこでは多くの海底火山が噴火していました。
その火山からの水中火砕流堆積物が熱水変質作用を受けて、緑色凝灰岩(グリーンタフ)ができました。また、あまり変質うけなかった火山礫などは、火山角礫岩の層として堆積したようです。