冬の使者コハクチョウ

ハクチョウ類は、現在では宍道湖に300~500羽、能義平野と中海に1,000~1,600羽が安定して渡来しており、コハクチョウは、シベリア北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬季に日本列島などに渡ってくる。宍道湖は、日本列島におけるコハクチョウの南限の集団越冬地である。
宍道湖や中海に渡来するコハクチョウは、斐伊川河口部の中州や能義平野の水を張った水田などをねぐらとしており、出雲平野や能義平野の広大な水田を餌場としている。この他、近年松江市の市街地から約4kmにある宍道湖と成因を同じくする潟の内一帯の水田にも150羽ほどの群れが毎年渡来している。
斐伊川水系の下流部の出雲平野と宍道湖・中海を含む湖岸域は、375㎢の広大な面積を占め、豊かな食餌に恵まれ、渡り鳥には好適な環境となっている。このような低地帯の形成は、新第三紀における島根半島の形成と第四紀の海面水位の昇降がもたらした2段階の地殻変動の結果であった。
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コハクチョウ
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