大根島の溶岩トンネルと生物

大根島の溶岩トンネル(幽鬼洞と竜渓洞)は、独特の生物が生息しており、ここで発見され命名された生物も知られている。
その代表がドウクツミミズハゼで、全長5.5cmほどの日本固有種のハゼのなかまである。近年は生息が確認されておらず絶滅した可能性が高い。
イワタメクラチビゴミムシは、竜渓洞で発見された体長約3mmと小さい固有種で、これまでに10個体が採集されているだけの希少な昆虫である。キョウトメクラヨコエビは、洞窟内の水の中に生息している体長1cmの珍しいヨコエビのなかまで、現在でも確認することができる。これらの他に、体長2mmほどのコムカデの1種も、水中で見ることができる。
また、幽鬼洞内の水は島内の地下の中で紡錘状に溜まった淡水レンズから供給されているとみられ、竜渓洞は玄武岩層を浸透した水が溜まったものである。幽鬼洞と竜渓洞の生物相の違いは、幽鬼洞が海面水位変動によって海水の影響を受けたことによるものと考えられている。太陽光の届かない洞窟内の食物連鎖の始まりは土壌中の細菌とされる。
写真はドウクツミミズハゼ
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溶岩隧道
ドウクツミミズハゼ