石神の坐す山でもある

大船山は標高327.2mで、標高358mの鍋池山と一連の山系をなしている。山系全体にわたって流紋岩の火山砕屑岩が極めて厚く堆積しており、半ドーム状の構造が大船山山頂の南斜面に形成されている。大船山山頂から北北西へ直線距離で約200mにある「烏帽子岩」の南西斜面は、断層崖となっている。大船山は出雲国風土記に、神名樋山とよばれていた。烏帽子岩付近の滝壺で、弥生時代終末期の土器(3世紀前半頃)から古墳前期にかけての土器が発見されている。

出雲国風土記には「みねの西に石神あり。高さ一丈(約3m)、周り一丈。こみちの側に小石神百余ばかりあり。」と書かれている。大船山の山頂近くには、じっさいに「烏帽子岩」と呼ばれる大岩が起立しており、まわりには大小の岩が転がっている。また、日照りのときにこの「石神」を祭れば、かならず雨が降る、とも書かれており、雨乞いの神さまだったのでしょうか。

石神のまわりの小石神

多久神社

多久神社は大船山の南の麓にある。『出雲国風土記』には、楯縫郡の多久社としてある。大船山には石神があり、それはアジスキタカヒコネノミコトとアメノミカジヒメの御子神であるタキツヒコノミコトの魂であると伝える。文字通りタキつまり水の神であり、雨乞いをすれば必ず雨を降らすと風土記にも記されている。神社には、ササラ祭が伝えられている。

佐香神社(松尾神社)

『出雲国風土記』には、百八十神がこの地に集い、御厨を建て、酒を醸し、百八十日にわたって酒宴を催された。だから佐香という、とある。ここから現在酒造りの神社として敬われ、毎年秋には、出雲の杜氏がここに参拝してから、全国の酒作りに出向く神社として知られている。秋の例祭では地元杜氏が製造した「どぶろく」を奉納し、新酒の出来を祈願する。当日は、今年最初の「どぶろく」が振舞われて賑わう。

大船山に登るには、出雲市多久町の大船山ふもとの広域農道から脇道を300mほど入ると右手に畑があり、左手の山裾に登山道入口があります。車は登山道入口付近に止められます。登山道は、大船山山頂まで、約700mです。そこから石神までは、山頂を通り過ぎてさらに700mほどあります。石神へは、大船山の北にある鍋池山への道との分かれ道がわかりにくいので気をつけてください。全体になだらかな道ですが、石神の近くは急な傾斜があります。