島根半島とウップルイノリ

ウップルイノリは、島根半島の海岸の岩場で冬季に海苔摘みが行われ、また、『出雲国風土記』にも記載されており、江戸時代には松江藩の幕府への献上品としてもてはやされた。
紅藻類の一種で、細長く帯状に伸び、幅2~3センチ、長さ20~30cmにも伸び出すものもある。淡紅色から藤紫色の光沢があり、日本海沿岸、北海道、東北地方の太平洋沿岸に広く分布する。
十六島地域は傾斜した砂岩泥岩の互層でできており、とくに砂岩層が厚くなっている。このような地層が海岸侵食を受けると砂岩層の部分が広く平らになって海面近くに広がる。ウップルイノリは潮間帯上部に着生するため、広い平らな砂岩層は海苔摘みに好都合で収穫しやすい。
- 生物・生態サイト
ウップルイ海苔摘み