玄武岩溶岩とスコリアがつくる地形

大根島は、約19万年前に噴火した玄武岩の火山岩からなる周囲12 kmほどの小さな島(東西約3.3 km、南北約2.2 km)である。玄武岩の溶岩は、粘性が小さく流動性に富むため、盾を伏せたようななだらかな地形をつくっている。この島で最も高い大塚山(標高42 m)は、ここから玄武岩質のマグマを噴水のように吹き上げたところで、噴火で空中に飛散したマグマのしぶきは多孔質の黒っぽい岩塊(スコリア)となり、火口の周りに降り積もったスコリア丘である。スコリア丘の中には発泡の程度の悪い岩塊(火山弾・火山礫)も散在している。
また、流動性のある玄武岩溶岩は、流れるうちに表面が固まっても、内側は流動していることがあり、内部の溶岩が流れ出してしまうと空洞ができる。この空洞を溶岩トンネルとよんで、2箇所の溶岩トンネルが見つかっている。一つは幽鬼洞で国指定の特別天然記念物に、もう一つは竜渓洞で国指定の天然記念物に指定されている。洞窟内部には溶岩の流れでできたさまざまな痕跡を見ることができる。
※幽鬼洞は、危険なため、学術調査等の場合で松江市が許可した者以外は入洞禁止となっている。

【カテゴリー】

〇宍道湖中海低地帯エリア(ジオヘリテイジ)

・探訪サイト(ジオヘリテイジについて探訪し、学び、教育・研究活動をすることのできる地点)

スコリア丘(大塚山)

竜渓洞から西に見える丘が大塚山と呼ばれ、大根島でもっとも標高が高い。標高は42m。頂上は桜の花の見所となっています。

松江市の八束(やつか)支所から溶岩トンネルの竜渓洞までのルートです。竜渓洞には車が5台程度止められる駐車スペースがあります。八束支所から徒歩で約700m、約10分です。

未来の子供たちが現在の私たちと同じように、今の美しい自然環境を利用できるようにするためにも、著しい環境の改変につながるような動植物や岩石等の採取等の自然環境の破壊は厳に慎んでください