田儀の食い違い礫
断層によって切断され、変位を生じた礫
田儀の海岸には約1400~1500万年前に堆積した礫岩層が分布している。一般的に礫岩層で断層が生じる場合、固結度の弱い基質部分が破壊されるため、礫そのものが切断されることは極めて珍しく、そのような礫は「食い違い礫」と呼ばれる。この地点の礫には南北方向に断層で切断された様子等が確認され、断層の変位量が明瞭に分かる「食い違い礫」が見られる。この礫岩層に見られる断層の形成時期は山陰から対馬付近の地殻が東西圧縮を受けるようになった300万年から500万年前頃以降のこととみられるが、詳細は不明である。
また、この礫岩層と同時代の波根西や仁摩の地層からは国や県の天然記念物になっている珪化木が産出しているが、近くの薄い泥岩層の中にも樹種の不明な珪化木の幹と枝が見られる。
【カテゴリー】
〇南部丘陵山地エリア(ジオヘリテイジ)
・探訪サイト(ジオヘリテイジについて探訪し、学び、教育・研究活動をすることのできる地点)
未来の子供たちが現在の私たちと同じように、今の美しい自然環境を利用できるようにするためにも、著しい環境の改変につながるような動植物や岩石等の採取等の自然環境の破壊は厳に慎んでください。