牛切層(相代層)の泥岩・砂岩(泥岩が中心)互層の露頭 ~ 砂岩・泥岩(砂岩中心)互層の露頭へ

相代川の河原の露頭:下の方は、泥岩が中心の層です。風化により、表面は茶色や白っぽくなっています。 ハンマーで割ってみると、中からきれいな泥岩の色が出てきます。
川を上流に行くと、砂岩が中心の露頭に変わっていきます。(写真は砂岩) 泥岩が十六島湾側(南)に向かって傾斜しているのがわかります。(写真の上部が下流です)

地層の走行傾斜は、クリノメーターを使ってはかります。 写真左は走行、写真右は傾斜を測っています。

泥岩・砂岩の層のとちゅうに、凝灰岩の層があります。この層は、鍵層になり島根半島で同じ時期に堆積した地層を見つける鍵となります。  写真左(川底に見える白っぽい層が凝灰岩の鍵層)  写真右(凝灰岩

凝灰岩を顕微鏡で見たものです。 左上の写真より下流にも凝灰岩の層があります。
相代川を上流に向かって撮った写真

写真の下側は、泥岩が中心の川底、上側では砂岩が中心の川底となります。また、この写真より上流では、さらに砂岩が中心の層に変わっていきます。
写真の上側、山の斜面に見える崖は砂岩の露頭と思われます。

相代川の上流に見られる砂岩中心の層は、十六島などで見られる層と同じものです。この地域一帯が砂岩・泥岩の互層でできています。また、十六島湾の北側の地層は南傾斜であり、十六島湾の南側は北傾斜であることから、この地域の地層は大きく褶曲しており、十六島湾が向斜部分にあたることがわかります。

小津(相代川)付近の地層堆積の様子

相代付近の牛切層相代層)は、上流に厚い砂岩中心の互層があります。 これは、タービダイトによりできたもので、陸に近く急激に深くなっている海(大陸斜面)で堆積したものと考えられます。
しかし、川を下るにつれて、地層は新しく堆積したものになり(上に堆積している)段々と、泥岩が増えてきました。また、何枚かの火山灰の層を含むようになり、火山の活動も盛んだったことがわかります。
さらに下るとほぼ泥岩中心の層になります。つまり、牛切層の堆積期間:約50万年という短い時間の中でぐっと海進がすすみ海が深くなっていったことがわかります。

坂を下りながら、新しい時代、より深い海の中へと向かっていくことになります。