海や湖などの水中や窪地(くぼち)など、まわりよりも低くなったところには、他の場所から浸食(しんしょく)風や水の力で、岩石がけずられること)されてきた岩石や土砂が降り積もったり、水によって運搬されてきて堆積したりします。この堆積したものが層になり地層が形成されます。地層は、一般的には水中で水平にたまっていきます。比較的同じような構成物質(こうせいぶっしつ)からなる1つの地層を単層(たんそう)といいます。そして、単層と単層の境界になる面を層理面(そうりめん)といいます。それぞれの単層の厚さはいろいろであり、1㎜に満たないものから1㎞を超えるものまで様々です。普通、地層は地面のなかにかくれて見ることはできませんが、何らかの原因で地面の断面が見えて地層が観察できるところがあります。これを露頭(ろとう)といいます。主な露頭としては、崖(がけ)や採石場、海岸、川岸の土手などがあります。

また、地層は堆積したままの状態であれば、下にあるものほど古く、上にいくほど新しいといえます。これを、地層累重(るいじゅう)の法則といい、地層の堆積していった順のことを層序(そうじょ)といいます。ます。しかし、場合によっては、地層が垂直に傾いていたり、褶曲(しゅうきょく)して上下がひっくり返っていることもあります。そのようなときには、級化成層斜交葉理などという堆積構造や、砂管のような化石の証拠を使って上下(新旧)の判定をします。

それぞれの地層からは、その層が堆積した環境を探ることもできます。例えば水の働きでできた地層であれば、海岸や河口に近いところで堆積したものほど粒があらく、礫(れき)がたまります。それが、沖に向かうにつれて粒が細かくなりシルト粘土となっていきます。その他、生き物が堆積したものでは、泥炭地(でいたんち)で植物が堆積した石炭、深海底で微生物が堆積したチャートなどがあります。

地層は、地殻変動(ちかくへんどう)などがあると傾くことがあります。地層が傾いている場合には、層理面と水平線の交わる方向を走行、層理面と水平面のなす角を傾斜と呼び、この二つを使って傾いた地層の様子を示します。また、地層に大きな力が加わったりすると、地層にずれが生じたり、地層が曲がってしまうことがあります。地層がずれることを断層、地層が曲がることを褶曲と呼びます。

地層は、堆積する速度に変化はあるもののおおむね連続してたまっていきます。このように連続してたまっていった地層どうしの関係を整合といいます。それに対して、連続して堆積していない場合の関係を不整合といいます。例えば、水中で堆積した地層が隆起(りゅうき)や海底面の低下で地上に露出すると、風化浸食作用を受けて凸凹のある面を形成します。その後、再び沈降(ちんこう)し上の面がたまったときに、この2つの面の接し方は不整合になります。不整合面のすぐ上には、あらい粒の礫などが堆積することが多く、これを基底礫岩(きていれきがん)といいます。また、上下の地層の関係が平行な場合は平行不整合、斜めに接している場合は傾斜不整合といいます。

海が陸に対して相対的(そうたいてき)に上昇してくることを海進(かいしん)といいます。それに対して、相対的にしりぞくことを海退(かいたい)といいます。海進と海退時では、堆積の様子が異なります。海進が進むとより、粒の細かいものが上部に堆積していくことになります。(一つ一つの層も厚くなります)反対に、海退が進むと、粒のあらい物が上部に堆積していきます。(一つ一つの層の厚さがだんだん薄くなります)これは、基本的には、海岸に近いところほど粒のあらい物が堆積し、沖合ほど粒の細かい物が堆積するからです。