山陰自動車道につながる道の工事で、布志名層の露頭が出ています。ただし、すでに整備がしてあるので、布志名層がきちんとわかるのは、下の平らな部分と丘の下1m部分だけです。それでも、布志名層がいかに化石が多いのかを実感することができる露頭です。

丘の部分を掘ってみると、布志名層本来の泥の色がわかります。また、化石も多く見つかります。中央に見えるのはイズモノアシタガイです。  貝の化石がびっしりと詰まっています。ただし、どれも風化しており、形を留めていないものがほとんどです。(写真をクリックすると拡大表示します)
まるで、貝塚のようにたくさんの貝が重なって見えます。ヤスリツノガイは、採集することができましたが、他のものはさわるとバラバラに割れてしまいます。(写真をクリックすると拡大表示します) 下の平らな部分にも、化石が散乱しています。いったいどれほどの貝が埋まっているのでしょうか?

道路との境の部分にも、布志名層の露頭が見られます。ここにも、化石がたくさんあります。こちらの化石の方が、保存が少しは良さそうでした。(よく見ると貝の白い部分がちらほら見えると思います)

写真左の貝は、カガミガイの仲間と思われます。また、右は、サルボウガイです。この写真のようにある程度形が残っている貝は、かなりまれでした。この貝の他にも、ツメタガイの仲間フジナウバトリガイなども見かけました。

この露頭を東の方にいくと、道路との境でアルカリ玄武岩火砕岩の層が見られます。布志名層の砂岩・シルトと比較してみると違いが良く分かります。