橄欖(かんらん)岩

 SiO2(二酸化ケイ素)の量は45%以下で、主にカンラン石と長石からできています。
かんらん岩はマントルをつくっている岩石です。地下深くのマントルが、火山の働きや断層の働きなどによって上昇してくることで見られるようになります。
かんらん岩はもとは緑色のきれいな色をしています。主要鉱物であるカンラン石の特にきれいなものは「ペリドット」とよばれる宝石で、8月の誕生石にもなっています。かんらん岩の採石場は、日本では北海道にある2カ所だけです。ペリドットの大きな結晶です!
ペリドットについてさらに詳しく ⇒
英語名は植物のオリーブに似た緑色をしていることからオリビンとつけられましたが、オリーブの木を日本語に訳する時に中国原産の常緑樹である「橄欖(かんらん)」と取り違えて命名されてしまいました。「橄欖」の漢字が難しいので、普通はカンラン岩あるいはかんらん岩と書かれることが多いです。
*右の写真は、カンラン岩ノジュールをスライスして磨いたものです。中に緑色のカンラン石が詰まっています。

造岩鉱物は、ほとんどが固溶体(二種類またはそれ以上の異なった物質が均一に溶けて結晶しているもの)です。例えば、カンラン石(Mg, Fe)2SiO4という化学式で表されるように、マグネシウムMg)とFe)がある割合で混ざり合ってできたものです。(2つの割合を足すと100%です。マグネシウムが多いカンラン石をフォルステライト苦土カンラン石、鉄が多いカンラン石をファヤライト鉄カンラン石と言います。)(厳密にはCaやMn等が含まれる場合もあります)

 

フォルステライト苦土カンラン石Mg2SiO4
鉄が1%以下の端成分に近いものです。
色は白~無色透明です。マグマから一番初めに晶出してきます。
フォルステライト苦土カンラン石Mg2SiO4
左のものに比べると10%前後、マグネシウムが鉄に置き換わっています。色は黄緑~緑色です。
ファヤライト鉄カンラン石Fe2SiO4
鉄が、マグネシウムよりも多く含まれているカンラン石です。色は黒ぽっくなります。