火山噴火の様子

日本は世界でも有数の火山地帯です。
日本にたくさんの火山があるのは、海洋プレートが大陸プレートに沈み込む場所だからです。(島弧ー海溝系)
島弧ー海溝系では、地下100㎞付近でマグマが生成されます。海洋プレートが沈み込むときに取り込んだ水が作用して、通常よりも低い温度でマグマが生成されるようです。火山噴出物火山の噴火によって地下からふき出された物質のことを火山噴出物といいます。気体・液体・固体ごとにみてみます。気体:おもに水蒸気や二酸化炭素です。火山ガスとも呼ばれています。

液体ほとんどの場合は、溶けた岩石(溶岩)です。地上を流れ始めると、溶岩流と呼ばれます。

固体:主に岩のかけらなどです。大きなものは火山弾(火山岩塊:固まりきっていないマグマがちぎれ飛んだもの)や火山礫軽石(溶岩が固まってできた穴の多いもの)と呼ばれ、小 さなものは火山灰( マグマが粉々になったもの)と呼ばれています。これらをまとめて火山砕屑物といいます。

火山砕屑物

大きさ(直径)が64mmよりも大きいものを火山弾火山岩塊)、64mm~2mmのものを火山礫、2mmより小さいものを火山灰といいます。

火山灰 左の粒子が細かいのは、「北海道 有珠山」、右の粒子が少し大きいのは長崎県 雲仙普賢岳」の火山灰です。


火山弾パン皮状火山弾 噴火で空中に放り出されたマグマの表面が急冷され固まった後、まだ高温の内部が冷える時に出てきたガスにより膨張し、表面にひびが入ったものです。写真のものは大きさ20㎝程度のものです。
三瓶山(大田市三瓶町志学)でみつかったものです。

浮岩とその表面

溶岩(表面にたくさんの穴があいています)

上図のように、地下に存在する液体状のマグマが地殻の割れ目から上昇してきて、地下で固まったもの(貫入岩帯)や地表に噴出して冷えて固まったもの(噴出岩帯)を火成岩といいます。つまり、マグマが冷えて固まってできた岩石のことです。

火成岩の岩体

底盤(バソリス)

主に花こう岩質の岩石で作る大規模な岩体で、露出面積が100km²以上のものを底盤(バソリス)と呼びます。深部に向かって大きくなり、底なしの岩体のイメージがありましたが、最近の研究では、へんぺい状の場合もありそれほど深くまで続かないと考えられています。底盤は、貫入時期が異なるたくさんの深成岩帯の複合体と考えられます。

岩脈(ダイク)

過去に地層を切って貫入したマグマが固結したものであり、平板状またはやや曲面を持つものが多いです。岩脈は、過去のマグマが通った通路(火道)であり、一般に、かなりの急傾斜であることが多いようです。

岩床(シート)

過去にマグマが通った通路(火道)で層状に貫入した岩体のことをいいます。板状のものを岩床、レンズ状のものを岩餅と呼びます。岩脈ほど急傾斜ではありません。

グマだまり

地下深くのマントルから上昇してきたマグマは、地下数kmから十数㎞で浮力を失い、重力とのつりあいによって一定の場所にとどまります。その場所のことをマグマだまりといいます。マグマに溶解していた水分が気化して発泡するか、あるいは他の要因によってマグマだまりの内圧が高まると、マグマは地表に向かって上昇し、噴火を引き起こします。マグマが地表に噴火して冷え固まったのが火山岩であり、マグマだまりのまま冷え固まってしまえば深成岩になります。

 

*大山や三瓶山はデイサイト質の溶岩を噴出し、溶岩円頂丘(ドーム)を形成しました。

*以前は盾状火山・成層火山・鐘状(しょうじょう)火山とわけられていましたが、今は使われていません。