堆積物が堆積した直後や固まる(固化する)までの間に、様々な作用を受けて形成された構造や模様のことを堆積構造といいます。堆積構造には、以下のようなものがあります。


出雲市塩冶町(一畑バス倉庫)の大森層(砂礫層)
斜交層理斜交葉理クロスラミナ
水流や風の速さや向きが変化する環境で堆積が起こったときに、粒子の大きさや配列などが変化してできます。層理面と斜交した細かなしま模様です。しま模様の重なりから当時の水流などの方向が推定できます。

級化成層級化層理級化構造グレーディング

構成粒子が、下部が粗い粒(粗粒)で、上部に向かうにつれて連続的に細粒へと変化している単層のことです。時間とともに粒子を運搬する水流が弱まった場合 や、乱泥流によって運ばれた粒子が堆積した場合にできます。粗粒のほうが堆積した時点での下部だと分かるため、もともとの地層の上下方向を決めるのに役立ちます。

牛切層(小伊津)の砂岩の単層です。(写真の下が層の下位です)牛切層は、乱泥流タービダイト)の堆積層です。


上位部分を拡大したもの(細かい砂の集まりです)

下位部分の拡大です。砂というよりも礫にといった方がよいかもしれません。

火炎構造フレーム構造

地層が固化していないうちに、すぐその上に地層が堆積し、重みで下の層と上の層との間の層理面が炎のように不規則な形になったものをいいます。

漣痕(砂紋、リップルマーク)

水底に波が形成した模様が残ったもです。上方にとがった形をするため、堆積当時の上下の判定に役立ちます。

大社:稲佐の浜の漣痕カレントリップル

ウェーブリップル

波などの左右の振動の流れでつくられたものをウェーブリップルといいます。

カレントリップル

一方向の水流によりつくられたものをカレントリップルといいます。

スランプ構造(スランピング)

海底などに堆積した堆積物が、まだ固化していないうちに海底などの斜面を滑り落ち、不規則な状態で乱堆積してできたものをいいます。

小伊津の牛切層(頁岩の層):平行に堆積したはずの頁岩の層が、地滑りなどの作用で複雑に褶曲しています。しかし、その上位の頁岩層は地滑り後に堆積したらしく、平行堆積にもどっています。

底痕ソールマーク

堆積粒子や水流そのものにより堆積物の表面につけられたみぞが、その上に堆積した砂や礫によってうめられてできたものです。特にタービダイトのように泥層上に砂礫が堆積する際に形成されたものは、露頭では観察しやすく、その層の堆積時の流れの方向(古流向)を知る手がかりとして役立ちます。おもに砂岩層の底にみられるもので、その成因にもとづき、水の流れの作用によって形成されたもの(流痕:Current mark)、重力の作用で形成されたもの(荷重痕:Load cast)、生物の活動によって形成されたもの(生痕:Trace fossl)に分けられます。

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