方 解 石

方解石(カルサイト:Calcite)は鉱物の一種で、主成分は炭酸カルシウムCaCO3であり、石灰岩のおもな成分です。(ちなみに貝殻などもやはり炭酸カルシウムからできています)
不純物を含まないものは無色透明で光沢がありますが、含まれるものによって黄色やピンク色、オレンジ、グリーン、ゴールドとさまざまな色になります。英語名のカルサイトはラテン語の石灰(calx)がもとになっています。

方解石の複屈折

 方解石が産出するときは、板状・柱状・塊状・牙状などさまざまな形ですが、たたいて割ると一定方向に割れる性質(へき開といいます)があります。そのため、くだかれどんどん小さくなっていっても、マッチ箱を押しつぶしたような形になります。
その他、方解石には強い複屈折の性質があり、透明な方解石を通して向こうを見るとものが二重になって見えます。


ブルーカルサイト

牙状の方解石カルサイト)とひし形の粒が重なっているように見える方解石カルサイト)です。このように、方解石にはいろいろな形や色のものがあります。

方解石カルサイト)の多形として霰石(あられいし)アラゴナイト)があります。多形とは、同じ組成の化学物質なのに、結晶の形が違うもののことを言います。
つまり、方解石も霰石もどちらも同じ成分(炭酸カルシウムCaCO3)からできています。右の写真が 霰石アラゴナイト)です。