沸石(zeolite:ゼオライト

二酸化珪素(SiO2)の骨格をもち、一部の珪素(Si) がアルミニウム(Al)に置きかわったアルミノ珪酸塩鉱物です沸石の結晶構造にはすきまが多く、そこにたくさんの水分を含むことができます。そこで、沸石の仲間を熱すると、水が分離して沸騰したように見えるのでゼオライト(ギリシャ語のzeo(沸騰:ふっとうする)とlithos(石)の組み合わせ)と言う英名がつきました。
沸石の仲間をなめてみると、舌に吸い付くように感じます。これは、沸石が水分を吸収するためです。

結晶の中に水がたくさん含まれていることからわかるように、水と関係のある場所でつくられるようです。具体的には、溶岩と水が触れあう場所(温泉地帯、枕状溶岩など)やペグマタイト(とても大きな結晶の火成岩)鉱床で末期につくられることがあります。塩基性火山岩玄武岩)などに含まれて産出することも多いです。
工業的に利用される場合(イオン交換、触媒、吸着材料など)は、英名のままゼオライトと呼ばれる場合がほとんどです。

斜プチロル沸石(クリノプチロライト)です。粗粒玄武岩ドレライト)の空洞に産出しています。平田 小伊豆~三津の海岸沿いで(赤い円の中)


輝沸石(グリーン輝沸石)と束沸石です。束沸石は、名前のように繊維を束ねたように見えます。輝沸石は、板状のものが重なった形をしています。色はいろいろあります。

スコレス沸石です。透明な棒状の結晶が集まっています。

トムソン沸石です。白~薄いピンク色のきれいな球状です。

*上の写真からもわかるように、沸石には多くの種類があり、その形もいろいろです。