下流(斐伊川河川敷公園)の様子
該当カテゴリ: 斐伊川探検
観察の内容
各地点共通:( 川の幅 粒の色・大きさ 流れの速さ )
下流:砂粒が流れる様子の確認(橋の上から)
川底の漣痕(れんこん:波がつくった模様)の観察
水の働きによる級化(グレーディング)の観察
砂鉄(磁鉄鉱)の観察
斐伊川河川敷公園です。
野球場があったり、ラジコンのコースがあったりと、とっても広い公園です。
駐車場の所まで降りてきました。
ここから、斐伊川にかかっている橋に向かって歩いて行きましょう。
ところで、ここはもう斐伊川の 川の中 です。?!だって、もう一番大きな堤防を超えて降りてきましたからね。(実際、大雨が降った時には、この公園も水につかってしまいます。……近くに住んでいる人は見たことありますよね。)
川の方に進んでいくと、第2の堤防が見えてきます。
※トイレはグランドに(手洗いもあり) ※ヘビ注意!
斐伊川全景
(橋の上から北に向かって)
(橋の上から南に向かって)
橋の上までやって来ました。さて、斐伊川の川幅はどれぐらいだと思いますか?考えてみましょう。(もちろん一番大きな堤防の間を考えるんですよ!?)
次は、橋の上から流れる川の様子を見てみましょう。
コンクリートの橋の上から、川の真ん中を流れる砂粒を見ることができます。 (運搬の働きをじかに見ることができます) こんなに条件のいい場所は、全国的にも珍しいのだそうです! |
漣痕(リップルマーク)の観察もできます。 川底の砂が、波の形のようになっているのがわかります。(川の流れ(波)が、川底に作った形です) これも水の流れの働きですね。 |
さて、いよいよ砂の上に降りてみましょう。
(降りるのは簡単だけど、橋の上にもどるのは大変です。よって、脚立などを持って行った方が良いですよ。)
まず、砂粒を見てみましょう。いろいろな大きさ、形、色がありそうだけれど、目立つ色を3色選ぶとしたら、「白」・「ピンク」・「透明」になりそうです。
「白」は正長石 「ピンク」はカリ長石 「透明」は石英(セキエイ)です。 |
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白っぽい砂粒 | ピンクっぽい砂粒 | 透明な砂粒 |
「白」の正長石(KAlSi3O8)は、厳密にはカリ長石の仲間です。(カリ長石の中で白色のものととらえておきましょう。)
「ピンク」のカリ長石は、長石の中でカリウムをたくさん含んだもののことです。アルカリ長石のグループで、カコウ岩などに多く含まれています。「透明」の石英は、くすんでいると灰色のように見えます。でも、よ~く見ると石の表面だけでなく、奥が見えるのが特徴です。
(たとえ、それが1㎜であったとしても)
では、級化(グレーディング)を確かめる実験をしてみましょう。
まず、ペットボトルに大きめの砂を2にぎりぐらい入れます。次は、細かい砂を選んで2にぎりぐらい入れます。
次に、ペットボトルに水をいっぱい入れてシャカシャカふって砂を混ぜ合わせましょう。
後は、ペットボトルを上向きにして静かに待つだけ……。
すると、大きな粒の砂が下にたまり、小さな粒の砂が上にたまりました。
(これがグレーディングです!)
この、級化(グレーディング)の働きにより、砂鉄(おもに磁鉄鉱)も同じような場所にたくさん集まります。
手ですくってみると… | ||
川の中に黒く見えるのが砂鉄の集まりです。 | こんなにある砂鉄! 遊ばないのはもったいない!! |
袋に入れた磁石を近づけてみました。 |
斐伊川は、昔からたくさんの砂鉄がとれる場所として有名でした。(斐伊川は全国で最もたくさん砂鉄がとれる川の一つです)
そうしたこともあり、斐伊川の上流では、たたら製鉄がさかんに行われてきました。(これは、斐伊川の上流の地質と深い関係があるのです)
さあ、それではここらで、下流 の基本的な特徴をまとめてみましょう。(各地点ごとに共通してまとめていきます)
下 流 | 中 流 | 上 流 | |
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川の幅 | 400m | ||
粒の色・大きさ(粒径) | 白・ピンク・透明 平均5㎜ | ||
流れの速さ | 歩くくらいの速さ | ||
粒の呼び名 | ? |
※流れの速さは、中州を水のスピードと同じぐらいの速さで移動して決めました。
松本先生は、ホワイトボードを使い、視覚的にもわかりやすく地点ごとの特徴をまとめておられます。
最後に質問です!!
中流に行ったら、下流で見た「白」「ピンク」「透明」の粒は、どんな様子で見られるでしょうか?
だとすると、下流で見た粒よりももっと大きな粒が中流では見られるはずだ!
それって、どんな粒だろう?「白」「ピンク」「透明」が大きくなった粒が見られるのかな?
だとしたら…????
「白」正長石 「ピンク」カリ長石 「透明」石英 「白」「ピンク」「透明」、それぞれの粒のもっと大きいものがあるのかな?
中流へ行って確かめてみよう!