F地点 火成岩(粗粒玄武岩:ドレライト)の露

三津の港をこえ、橋を渡ったカーブのところです。 見るからにザラザラした感じで、牛切層の砂岩、頁岩とは明らかに違うのがわかります。
白い部分と、ふりかけのりのような黒い部分(輝石)が目立ちます。茶色っぽくなっている部分はかんらん石を含んでいます。 顕微鏡の写真です。黒色で細長い鉱物は輝石です。

真ん中の白~薄い緑に見える部分は沸石が結晶したもの

沸石は学名をゼオライトといいます。(沸騰する石)という意味のギリシア語に由来しています。沸石の結晶構造にはすきまが多く、そこにたくさんの水分を含むことができます。そこで、沸石の仲間を熱すると、水が分離して沸騰したように見えるのでその名前がつきました。沸石の仲間(たくさんの種類があります)をなめてみると、舌に吸い付くように感じます。これは、沸石が水分を吸収するためです。

この露頭で見られる沸石は、クリノプチロライトという沸石です。この沸石は、無色ないし白色の粒状または粉状のものです。玄武岩などの空洞でよく見られます。

粗粒玄武岩の偏光顕微鏡写真(オープンニコル)左上の花びら状の結晶は沸石です。 粗粒玄武岩の偏光顕微鏡写真(クロスニコル)