火山灰観察の仕方
該当カテゴリ: 実験
*出雲地域にも、おもに三瓶山の噴火をゆらいとする火山灰はありますが、なかなか手にはいりづらい所もあると思います。
そこで、おもに鉱物の観察を目的として、園芸用の土(鹿沼土・赤玉土)を利用した観察の方法を紹介します。
*火山灰(鹿沼土・赤玉土)の洗い方
・一般的に火山灰を洗う場合には「椀かけ方」というやり方が使われますが、ここではもっと簡単で早い方法を紹介します。
鹿沼土:正しくは鹿沼降下軽石といいます。栃木県鹿沼市付近に広く分布しています。約3.2万年前の群馬県赤城火山の爆発によって形成されたものです。 |
赤玉土:関東ローム層として関東地方に広く分布しています。一般的に赤土と呼ばれるものです。ねんど質が多い土です。 |
①:洗濯用のゴミ取りネット(目の細かく丈夫そうなもの)を用意します。
②:ネットの半分ぐらいまで火山灰(土)を入れます。
③:ネットをしぼって(てるてる坊主をつくるみたいに)火山灰が出ないようにします。
④:水道の水(できればシャワー)を流し、手のひらを使いながら火山灰をあらっていきます。
⑤:土の汚れがでなくなり、水がきれいになったら洗うのをやめます。(ネットに鉱物が残るはずです)
⑥:ネットをひっくり返して、水をはったシャーレに鉱物を入れます。
⑦:シャーレの中の余分な水やういているゴミを流します。(軽石は流さないように気をつけて)
⑧:シャーレの中の鉱物をかわかして観察しましょう。
鹿沼土を洗ったもの:形のはっきりしている鉱物としては、輝石(キセキ)、角せん石がみられます。少し黄色味がかった軽石もたくさんあります。 |
赤玉土を洗ったもの:形のはっきりしている鉱物では、輝石(キセキ)、角セン石やカンラン石 少量の高温型石英がみられます。 |
軽石:白色や少し黄色っぽい色をしています。表面にたくさんの穴が開いているのがわかります。水に浮く場合もあります。 |
カクセン石:透明感がある黒・褐色・緑色をしています。形は長柱状で光を当てると鉱物の伸びている方向に平行な筋が見えます。光たくが強く、割れ口が直線的です。 |
キ石:メロンソーダ色や透明感のある抹茶色、ビールビンの色をしています。形は細長く両端に丸みがあります。光たくはあるがにぶく、中に黒い小さな粒を含むことが多いです。 |
カンラン石:olivine(オリビン)という名前のとおりオリーブ色のものが多いですが、風化すると透明感がなくなり、赤茶けた色になったりします。形はコロコロした形で氷砂糖の形に似た感じがします。うるんだような光沢があり、黒い小さな粒を含むことが多いです。 |
高温型石英:そろばんの珠状で先のとがったきれいな形の石英です。マグマの中で生じたものです。(1気圧中なら573℃以上で生成されます) |
火山灰に含まれる鉱物についてさらに詳しく ⇒ |