A地点大森層の砂岩 ~ 布志名層の砂岩の露頭(化石を含む)

一畑バス出雲支社 上塩冶倉庫の露頭

(写真1)

上まであがると、砂岩と砂礫の露頭があります。(大森層)よく見てみると、堆積している層(礫岩)の一部がなくなっているのがわかります。(写真中央、色の濃い層)

無くなってしまったように見えるのは礫岩の層です。比較的浅い場所で水流や地形の影響を受けた礫岩の堆積層(レンズ状のもの)の端に相当するところと考えられます。(何層か同じように消えてしまう礫の層が見られます)

(写真2)

堆積のようすにかなり乱れがあり、浅い場所で水流の影響を受けていたことが想像できます。

砂礫層の間を埋めるように白い結晶(方解石)がみられます。 クロスラミナも見られます。(写真2)部分です。ラミナの向きから(写真1)では奥の方から手前に向かって、水の流れがあったことがわかります。

坂の上から下に向かって写したもの:厚い砂岩の露頭(大森層:少し灰色っぽい)がわかります。

坂の下から上に向かって写したもの:布志名層(砂岩)の縞模様が坂の上に向かって伸びているのがわかります。

坂の下では、たくさんの化石が見られます。 ヤスリツノガイの化石です。
砂管(サンドパイプ)もありました。どんな生き物がすんでいたのでしょうか? 布志名層には、地層に沿って、たくさんのノジュールも見られました。

ノジュールを割ってみると、中からたくさんの貝が見つかりました。写真右はヨコヤマビノスガイです。

布志名層と大森層の境目には、礫を含んだ層が薄くあり、そこで露頭の表面の雰囲気が変わっているのがわかります。(写真右は、布志名層下部の円礫

 *A地点全体の堆積のようす。

坂を登りきって事務所の正面にある露頭①は大森層礫岩砂岩の露頭です。クロスラミナも見られるように、水流のあるかなり浅い地点に堆積した地層だということがわかります。(A地点の露頭の一番下部:古い時代にあたります)
坂の上部②も大森層砂岩)ですが、①の露頭の上に堆積しており、砂岩の粒が細かくなっています。(つまり①の時点よりも海が深くなったことがわかります)
坂の下にある③の露頭は、地層の傾きからもわかるようにA地点では一番上にある層(一番新しい層)で、布志名層砂岩シルトの層です。A地点の露頭では一番小さな粒の層からできており、②地点よりもさらに深い海で堆積したことがわかります。

①→③へ坂を下っていくことは、約200万年の時間をたどることになります。その200万年の間に、海進がありこのあたりの海は段々と深くなっていきました

坂を一歩一歩下って行くごとに、より新しい時代、より深い海の中に向かって歩いていることになるのです。

一畑バス倉庫の露頭見学は、必ず事前に連絡をして許可を取ってくださいとのことです。

 

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