き石(輝石)

普通輝石  Augite(オージャイト) 紫蘇輝石  Hypersthene(ハイパーシン)
結晶の形
結晶の形
形は柱状で、両端に丸みのある直方体です。断面は長方形の角を落としたような八角形です。色はメロンソーダ色やとう明感のある抹茶色です。結晶が大きくなると黒色不透明になります。
風化すると柱状の両はじや表面がささくれたようになることが多いです。
形は柱状で普通輝石と同じく両端に丸みのある直方体です。普通輝石との区別はつきにくいですが、紫蘇輝石の方がより長い柱状のようです。
色はビールビンのようにとう明感のある褐色で、大きな結晶では黒色で不とう明になります。
中に黒い粒を含むことが多いです。

メロンソーダのような緑色をしているのが普通輝石です。

ビール瓶のような褐色をしているのが紫蘇輝石です。形は柱状でかなり長いものもあります。普通輝石にくらべると両はじが平らに近いものが多いです。
上の写真で輝石の表面にところどころくっついている黒い鉱物は磁鉄鉱です。

右の写真は、普通輝石の大きな結晶です。(長辺5㎜ぐらいの柱状)これぐらいの大きさになると、もう透明感もなくなり黒っぽくなります。
輝石は、角閃石にくらべると透明感があるので区別をすることはできますが、普通輝石と紫蘇輝石の区別はかなり難しいです。

輝石の仲間の透輝石です。結晶が大きく成長し長辺が2cm位の直方体となっています。
(この結晶は火山灰中に含まれていたものではありません)
緑色をしているのはクロムを含んでいるためです。
パキスタン バルティスタン アルチュリ産です。

*上の写真は、透輝石Diopside)の単結晶です。
サイズが 3.7×2.3×1.3cm もある大きなものです。
Diopsideという名前はギリシャ語の「二つ」を意味する「di」と「外観」を意味する「opsis」よりつくられています。

*上の写真は紫蘇輝石です。(火山灰中に含まれるものではありません)英語名の「ハイパーシーン」は、ギリシア語で「超越した力」という意味を持ちます。
紫蘇輝石は、現在では独立種とされず、頑火輝石(がんかきせき:エンスタタイト)の一つに分類されています。
 *左の写真は、頑火輝石エンスタタイト:Enstataite)の単結晶です。頑火輝石は熱に強く1400℃まで加熱しないと融けません。(溶岩の温度よりも高いです)そこで、頑な(かたくな)に火に対抗するという意味で、頑火輝石と名付けられました。英語名のエンスタタイトも同じような意味を持っています。
頑火輝石はマグネシウムを多く含む(Mg2Si2O6)、斜方晶系の輝石です。
今の分類の頑火輝石は、以前の分類の紫蘇輝石古銅輝石頑火輝石が一緒になったものです。左の写真は、以前の分類での頑火輝石の結晶です。